2019年から熊本県専修学校各種学校連合会の会長を仰せつかり、その関連で私学協会副理事長、私学審議員を務めることになった。父が長い間携わっていた公的な教育関連の仕事である。熊専各という愛称の専門学校には会員校が35校あるが、今、この会で2030熊専各推進委員会を組織していくつかの委員会組織ごとに選ばれる専門学校を目指して努力を続けている。
中島会長から引き継いだ会長職を今年度6月からもう一期続けることになった私に突然一つの提案が舞い込んだ。それは「国が今募集している国際化推進事業に熊専各から応募してみてはどうか」という提案だった。熊本県における留学生数は2023年度で1112名と全国の0.4%に過ぎない。九州でも佐賀に次いで二番目に少なく、専修学校の留学生は438名しかいない。
そこに今回のTSMC進出により2024年の雇用創出が1700名に上るという事態が発生した。その内400名が台湾からの来日であり、家族を含め700名が台湾から熊本に移り住んでいる。さらに2027年までに3400名の雇用創出が予想される中で、人材確保が熊本の重要課題となっている。それには国内の採用だけでなく台湾を含めた外国人材採用と家族を含めた教育が大きな課題となっている、という文脈での作文をし、国にこの課題解決のための国際化推進事業を提案した。
全国で7つ選ばれるこの事業に熊専各の採択が決まった。10月からスタートするこの事業には、今後4年間、国から毎年およそ2600万円が支給される。このエッセイが出る頃、私は第1回目の視察のためモンゴルに行っている。この事業ではターゲット国をモンゴル、台湾、ミャンマーの3国に絞ったが、その最初の訪問だ。訪問記は壺溪塾のホームーページに掲載する予定なので読んでいただけるとうれしい。今後、12月、1月とその他の国への視察を行い、委員の皆さんと話し合いながら、熊本に留学生を増やすために努力したい。
タイミングよく熊本県は「外国人材との共生推進本部」を9月に立ちあげた。そこで県ともコラボしつつ、今後、熊本に留学生を増やすための土壌づくりに尽力したいと思っている。
壺溪塾には、現在、留学生がいる訳ではない。しかし、1994年に23名でスタートした専門学校部門、公務員専攻科に加えて2025年4月から「情報キャリア科」をスタートさせる。ここにゆくゆく国際ビジネス科を設置させようと壺溪塾でも準備しているところだ。